2023/05/24
itセキュリティでは最先端のものが求められ、ウイルス対策ソフトの定義ファイルやオペレーティングシステムのパッチなど常に最新のバージョンにしておくことが求められています。その一方でotセキュリティでは、常に最新にできるとは限らないのが気を付けたいポイントです。産業用ロボットを制御するソフトウェアの中には、未だに数十年前のオペレーティングシステムを使用しているもの多く、現行のウイルス対策ソフトを使用することはできません。この背景には制御用のソフトウェアを開発していた会社は現在業務を停止しており、最新のオペレーティングシステムへの対応が期待できないほか、予算の関係からシステムの刷新が難しいなどの理由があります。
だからと言って万全な体制を整えるまで業務を停止してしまう訳にもいかず、システム的なリスクを抱えたまま稼働しているのが実態です。そこでotセキュリティでは、it分野でよくある方法で安全性を確保するのではなく、他の方法を活用して同等のレベルを目指すものです。例えば古いシステムの産業用ロボットは外部のネットワークに接続せず、データーの通信が必要な場合にはUSBメモリなどを使用するなどネットワークを介さずに行います。どうしても外部に接続したい場合には最新のセキュリティを備えた中継サーバーを経由して行うなどして、産業用ロボットがダイレクトに外部へ接続しないように運用します。
このようにotセキュリティでは業務を遂行できる環境を保ちながら、多重の防護で安全性を確保します。